2冊本を出版した。たいした数でもないが5年ぐらいかかって一応すべて売れたようだ。もともと金儲けのつもりはなかったが、完璧にマイナスになった。、3冊目の原稿は書き上げたけれども、出版はできそうにない。これで馬鹿なことはもう終わりにしようと思いながら、どうして終わりにならないんだ。
 昔、顎に白髪を発見したときは許せなかった。普段そんなにひげそりなんかしたことはなかった。毎日剃ってやった。許せなかった。けれども、もはや白髪しか伸びてこなかった。許せなかったけれど、あきらめることにした。そのうち誰かが「じっちゃん」と呼び始めたけれど、たいして気にならなくなった。どうでも良いことだ。
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 文化祭があった。若い生徒達がオリジナルダンスを披露した。ふ〜む。確かに若い。小学校時代に放課後毎日鉄棒で遊んだ。一人で遊べるからだ。そのうち結構うまくなった。最近鉄棒にぶら下がって何かやろうと思ったら、全く体は動かなかった。格好いいところを見せようと思ったけれど、無様なことになってしまった。ダンスには鈴木先生も参加。若い。鈴木理代先生若い。
 小学校の廃品回収があった。何もこんな「じっちゃん」を使うこともなかろうに、大型トラックの上で新聞の束を受け取る役をもらった。うれしいことだ。無責任な「じっちゃん」と言われるのも嫌だから、頑張っている振りをした。この程度の高さなら飛び降りることができると思った。地面が見えた。瞬間、このまま着地したら、相当の衝撃があるだろう。体を丸めて、後ろに回転する姿勢をとった。着地の衝撃で膝が顎に激突した。ボクシングでアッパーを食らうとこうなるだろうと思った。見ていた周りの人たちが「大丈夫ですか。」と言ってくれた。格好悪いから、「大丈夫です。」と答えるしかなかった。本当はこめかみが破壊したように痛かった。病院へ行かなくてすむように。
 10年も前のことだった。久しぶりに屋根に上った。昔、子供の頃、ここからは飛び降りた。心はすでに少年時代に戻っていた。一抹の不安はあったけれど、飛び降りた。着地の瞬間猛烈な衝撃を受けた。しばらく動けなかった。痛いほど、若くないことを知らされた。
じっちゃんの独り言
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